活動内容

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平成18年1月 18日

青税座談会 「業界の未来を熱く語ろう!」報告 今後10年展望

平成18年1月18日 神戸合同事務所に於いて

【参加者】
増田 泰之 特別会員 (開業28年目)

中野  明   特別会員 (開業20年目)

小倉 靖弘 特別会員 (開業 6年目)

杉山 清和  会 員 (開業16年目)

加藤 公朗  会 員 (開業 8年目)

震災後丸11年が経ち、神戸も復興がかなり進んできたことですが、これから先10年は今まで以上に大きく変貌して行くであろうと思われる中、我々税理士業界の未来はどうなっていくのか、明るい兆しはあるのかをテーマに本日は熱く語っていただきたいと思っております。

1.まず、中小企業の発展があってこそ我々の業界が発展しますが、今後10年ほどの日本の経済はどのように変遷していくと皆さんはお考えになりますか?

【 増田会員 】
まず、国自体が債務超過に陥っていること・・・、財政破綻になりかねない状態が心配です。インフレ基調になっていく今の流れを見ていたら、「徳政令」をだすような状況になるんじゃないかと思う。経済というよりまず国家が心配というのが正直な気持ちです。

【 杉山会員 】
私はこの10年間は右肩上がりの状態で行けると考える。確かに国は債務超過状態であるが、失われた10年で負の財産は消却されたと思います。この先10年の右肩上がりについての理由は、ここ数年は、中国経済の景気に支えられ、その後は、少子化の時代を迎えるわけですが短期的ではあるが団塊の世代の退職でその年代での消費の時代が来ると考える。
そんな中で個人的にも企業的にも格差はどんどん開いていくだろうと思う。これはこれからの予想ではなく現段階でのことでもある。税理士として要注意だなと思う。

【 小倉会員 】
近い将来、消費税10%超の時代がやってくるが、消費税すら払えない企業がでてきて本当に勝ち組負け組の構図が明らかになってくる。今の関与している顧客がどれだけ生き残れるかが心配になってくる。全体的には良くなってきていると思うが、業種にもよるが力の関係がはっきりと分かれてしまうであろう。会計事務所も今まで通りの業務をやっていたら生き残れない。一企業として考えてやっていかなければならない。

【 中野会員 】
地域的なものの格差、市場に遠い近いの差も出てくると思うが、それ以上に、これからの10年は上り坂の企業がどれだけ底辺の企業を引っ張っていけるかどうかにかかっている。今までの三角形の企業の構図ではなくて完全に上と下に分かれる形になって、牽引力があるのか。頑張っている企業が国民を支えていけるだけの牽引力があるのか。製造業におけるリーダー的企業が少なくなっている。どこまですそ野の広がった形で貢献するのか、今までの景気拡大によって、全て引っ張っていけるという構図は今はない。今の新しく生まれた雇用環境の人たちはより豊かになれるのか。所得間格差の拡大、それに就業階層も昔のような階級社会になっていくかもしれない。上下がはっきり分かれ、底辺のグループの人たちが上に上がることはより難しくなる中で、どう対処していくのか。格差の中でどのポジションを保てるのか、社会的にはその底辺の人たちをどこまで支えていけるのか。国はほとんどほったらかしの状態である。2、3パーセントの一握りのトップにぶら下がることが出来れば同じように発展することが出来るだろうし、それにぶら下がれなければ、大変になるでしょう。

【 杉山会員 】
日本人は偉いと思う。確かにこれから先は低所得者層の人達が増えていくだろう。罪悪扱いされているフリーターやニートの増加がその良い例ですが、逆に彼らがショックアブソーバーになり、年収240万円や250万円の収入でも十分に満足して生活していける例を示している。神の見えざる手により日本人は収入が少なくても充分に順応した生活を送ることが出来る労働者が出てくる。人の幸せは、どれだけのニーズに対してどれだけ満たされるかであって、所得の高い人が幸せというわけではない。国はほったらかしと言うけれども、間違いなく日本では普通にしていれば、のたれ死にはしないし、最低限の福祉と200万円、300万円の収入で十分に生きていける人がたくさん出てくる。

【 中野会員 】
しかし、果たしてその収入で満足していける状況なのか。今の経済状態の中では疑問である・・・。各人がそれなりの価値観を持って生活をしている。低所得でも生活できるのはわかるが、今までの豊かな生活から、200万円、300万円の収入の生活が果たして出来るのか。昭和30年代の皆が貧しかった時代とは違う。その時代ではそれが当たり前であったから生活が出来ていた。今は貧しい生活ができるのか。本当は出来るかもしれないが出来ない人が必ずいる。不足は不正で賄い、不正が蔓延る時代になるかもしれない。